なにこれ連句 第29巻 夕月夜の巻き(名残)は挙句が入りまして無事に巻き上がりました。 本年の猛暑の影響もあって体調を崩される方もあり、秋も深まり、ようようの巻き上げとなりました。 皆さま連句への投稿有り難うございました。
名残
(表)
1 逝く春を惜しむ人かげ穴太積・・・・・・・・かわせみ
2 雲随えるラピュタの城は・・・・・・・クレチャン
3 車窓フォト雨つぶ流る朱雀門・・・・・・・・Hilo
4 朱色の舟は遣唐使のせ・・・・・・・・クレチャン
5 あおによし奈良もすみよい奇縁かな・・・・・Hilo
6 かたき絆のリンクうれしき・・・・・・かわせみ
7 戦場に旗ひるがえるウクライナ・・・・・・・クレチャン
8 サンタクロースを待つ児らのため・・・・・かわせみ
9 猫の干支あるといふ国さがしゆく・・・・・・クレチャン
10 夏越しの茅の輪くぐりてもなほ・・・・・かわせみ
11 (秋月) 隠れては口にも入らず栗名月・・・・・・・クレチャン
12 果物あふるる秋色のたな・・・・・・・・クレチャン
(裏)
1 慣れてくる操作嬉しきセルフレジ・・・・・・・ミルク
2 戸惑う媼にアドヴァイスして・・・・・・かわせみ
3 すき焼きに作法無用の箸さばき・・・・・・・・クレチャン
4 いとこんにゃくもふるうそよ風・・・・・かわせみ
5(花) 浮かび来る白きすべては初桜・・・・・・・・・クレチャン
挙句 蝶も舞い舞ううららうららと・・・・かわせみ
かわせみさんから、実朝は好きな歌人との事で『金槐集』からご紹介がありました。
*****萩の花くれぐれ迄もありつるが月いでて見るになきがはかなさ*****
ご自身の歌から
この庭にいぬの尿(ゆまり)に枯れはてし萩ありしころ夫ありしころ
『もう一つの窓』から
寒の月出づればほうと萩叢(むら)のありしあたりの地(つち)も明るむ
かわせみさん近詠から
幼稚園バスに手をふる翁と媼(ジジとババ)マスクマスクの朝の八衢 (やちまた)
老婆一人のプラスチックのゴミの嵩、児孫(じそん)に遺すわざはひの嵩
croissant さんの歌・・・・やまと歌壇から
息子とふたりバスに乗り来て山登り室堂平に吐く息白し・・・・・・・・2023/10/5
一センチほどに機体の見える空病床の吾は眺めていたり・・・・・・・・2023/8/24
夕庭の水まきに踏み歩くペパーミントの香り立つなり・・・・・・・・・2023/9/14
六年にて源平の合戦終りしにウクライナの戦(いくさ)何年かかるや・・2023/7//13
和箪笥の母の縫いくれし着物には袖を通さず時のすぎゆく・・・・・・・2023/6/29
道ひとつ外れて行きて里山にゆるゆる行かむこの先は駅・・・・・・・・2023/6/8
大阪湾を朱に染めつつ落つる日を車窓に眺め家路を急ぐ・・・・・・・・2023/4
そっと障子を開けて見たりし祖父の部屋構えた刀にたんぽ打ちいき・・・2023
入院中のひと日を縫いて有馬の湯に夫の古希を吾が祝いたり・・・・・・2023
蝋梅の甘き香りの枝折りて逝きし兄への手向けと活けぬ・・・・・・・・2023/3/2
乃梨子さんと食事に行くと盛り上がり酒のすすむに華のある人・・・・・2022/6/23
淀屋橋に務めし頃は夏毎(ごと)に土佐堀川を船渡御行きき・・・・・・2022/8/25
イパネマの海岸に立つわれひとり乾いた風にサンバの聞ゆ・・・・・・・2022/9/29
彦根城の天守に急ぎ登り来れば黄金の夕陽湖面を照らす・・・・・・・・2022/11/10